ひとりごと

社会人を経て、専門に通ってます。介護福祉士目指して、只今勉強中。学校のこと、主に趣味や日常のたわいもないことについて綴ります。

そこのみにて光輝く

そこのみにて光輝く
レンタル屋でパッケージに書いてあるあらすじを読んで、自分好みかなーと思って借りて見た。
去年公開された映画。
新しめの作品を観るのは久々だ。

正直そこまで期待はしていなかった。
でも作品全体として期待以上。

物語全体が暗く重々しいが、それの救いになるようにラブシーンや、少しばかりの平和なシーンが際立っていた。

そして人物描写がとっても細かくて、物語に出てくる人がキッチリその役柄にハマりすぎている、風貌や言動からそれがうまく見て取れる。

俳優陣も素晴らしかった。
綾野剛が出ている映画は観たことがなく、でも今回観てすごい俳優だなと感じた。
ものすごい退廃的な雰囲気を滲ませながらも、徐々に力強く男としての強さを見せて行く。
クローズとかに出てたくらいから知ったんだけど、歳を重ねて素敵になった。
決して綺麗ではない無精髭を生やした飲んだくれなんだけど、負を抱えた哀愁が漂った色気が漂う。

池脇千鶴に関しては本当に期待以上。
池脇千鶴といえば、やはりジョゼと虎と魚たちが浮かぶんだけど
今回も体当たりの濡れ場。

そのリアル感も物語にはとても必要で、素晴らしかった。
彼女が醸し出す昔にはない大人の女の雰囲気とくたびれた感じ。
それでいてまだ少女のような笑顔。

あの役は池脇千鶴しかありえない。

あと、若手俳優の菅田将暉
この役なしでは成り立たない。

バカでどうしようもない、でもとても純粋な男。
物語を見て行くに連れて、守ってあげたくなるような可愛らしさもあって
そこまで感情移入させてくれるような素晴らしい演技だった。

その他、池脇千鶴が演じる千夏の男を演じる高橋和也、千夏のお母さん役の伊佐山ひろ子など。

本当に存在してるんじゃないかというくらいのリアル感がある演技だった。

多分演出とか、音の使い方、画の撮り方がすごく細かく表現されているのもこの映画の良さの一つだったと思う。

物語の最後は少しモヤっとした気持ちは残ったが、観終わってしばらくして言葉にはできない何かが残るようなそんな映画。

よくある不幸続きのナルシスト映画ではないし、性や暴力描写が多い話題性だけの中身のない映画とも違う。

不幸も性描写もそれくらいしっかり物語のために活きている。

1989年に刊行された佐藤泰志という方の小説が原作らしいんだけど、うまく現代的になっていて、原作よりだいぶアレンジはされているとは思うけど、ちゃんと今の世の中でも現実感のある内容ではある。

この作品は様々な賞をとっているみたいなんだけど、菅田将暉綾野剛池脇千鶴ともに女優賞、男優賞などとるのは納得。

日本の映画っていいなって思える作品でした。
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